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宮崎県・高千穂

岩戸の前の舞が、三十三番になった。高千穂の神話をたどる旅

高千穂の物語は、太陽が隠れた岩戸から始まります。素盞鳴尊の荒ぶりに怒った天照大神が岩戸に隠れ、世の中が闇に包まれたとき、困った八百万の神々は河原に集まって相談し、岩戸の前で宴を開きました。天鈿女命が舞うたびに歓声が上がり、気になった天照大神が岩戸を少し開けて覗いたその瞬間、手力雄命が岩戸を押し開けて外へ連れ出した、と伝わります。そのときの舞が、いまも夜ごと続いている土地です。

基本

所在地 高千穂は宮崎県にあります。

行き方

  • 高千穂神社 高千穂バスセンターから徒歩15分。
    2026-09-17確認[15]
  • 天安河原 天岩戸神社西本宮から岩戸川に沿って徒歩約10分。
    2026-09-18確認[16]
  • 高千穂峡 貸しボート 受付場所は高千穂峡第1御塩井駐車場内。受付後に貸しボート乗り場へ移動。
    2026-09-18確認[8]

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八百万の神が集って神議したと伝わる天安河原。天岩戸神社の西本宮から岩戸川に沿って進んだ先にある大洞窟で、別名を仰慕ヶ窟という
八百万の神が集って神議したと伝わる天安河原。天岩戸神社の西本宮から岩戸川に沿って進んだ先にある大洞窟で、別名を仰慕ヶ窟という[1]

旅の輪郭

舞台は宮崎県の高千穂町です。神話の一帯は岩戸川をはさんだ天岩戸神社と天安河原、町の中心側に高千穂神社と槵觸神社、そして高千穂峡があります。社務所も貸しボートも夕方には受付が終わり、神楽は日が暮れてから始まるので、昼に神話の場所をたどり、夜に神楽殿へ向かうと考えると一日に収まります。車を使わない場合は高千穂バスセンターが町なかの起点です。

岩戸の物語と、三十三番の舞

洞窟そのものを祀る──天岩戸神社

天岩戸神社は、天照大御神がお隠れになられた天岩戸と呼ばれる洞窟を御神体として祀る神社です。社殿の奥にある岩戸そのものが信仰の対象で、岩戸川をはさんで西本宮と東本宮が鎮座しています。神話を読んでから来ると、拝む先が建物ではなく谷の向こうの岩であることに意味が出てきます。

天岩戸神社の営業時間・料金
営業時間社務所の時間は8:30~17:00。
2026-09-16確認[2]

神々が相談した河原──天安河原

西本宮から岩戸川に沿って進んだ先にあるのが天安河原です。八百万の神々がこの河原に集まって神議されたと伝えられる大洞窟で、別名を仰慕ヶ窟といいます。導入で読んだ「困った神々が集まって相談した」場所が、地名として残っているところです。

舞は三十三番に整えられた──高千穂の夜神楽

岩戸の前の舞は、この土地で神楽として受け継がれました。高千穂の夜神楽は平安末期から鎌倉時代にかけて成立したといわれ、江戸時代の末ごろまでは高千穂神社の神職を中心に伝承し奉納されていたと考えられています。その後三十三番に整えられ、集落ごとに伝承されるようになりました。

いまも毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内約二十の集落で夜通し奉納されます。里ごとに氏神様を神楽宿と呼ばれる民家や公民館にお招きし、夜を徹して三十三番を奉納する神事です。集落の夜神楽を見せてもらう場合は、熨斗をつけた焼酎か、お気持ちを包んで渡すのがマナーと言われています。相場は旅支度と出典の欄にまとめました。

天岩戸神社の神楽殿。令和8年11月3日には、ここで天岩戸夜神楽三十三番大公開祭りが執り行われる
天岩戸神社の神楽殿。令和8年11月3日には、ここで天岩戸夜神楽三十三番大公開祭りが執り行われる[3]

集落の日程は年によって変わり、高千穂町観光協会の夜神楽の案内で公開されます。日程を合わせられない旅でも舞を見る方法があるので、次の章で触れます。

いま訪ねる場所:総社、神楽殿、峰と峡谷

八十八社の総社──高千穂神社

高千穂神社は約1900年前、垂仁天皇の時代に創建されたと伝えられる神社です。高千穂郷八十八社の総社にあたり、神社本殿と所蔵品の鉄造狛犬一対は国の重要文化財に指定されています。夜神楽を伝えてきた神職の社でもあるので、夜にもう一度ここへ戻ってくることになります。

高千穂神社の拝殿。本殿は国の重要文化財に指定されている
高千穂神社の拝殿。本殿は国の重要文化財に指定されている[4]

日が暮れてから開く神楽殿──高千穂神楽

高千穂神社の境内にある神楽殿では、毎晩、三十三番の神楽の中から代表的な4番が公開されます。舞うのは各集落の舞手で、交代で奉納しています。集落の夜神楽の日程に合わせられなくても、舞そのものはここで見られるということです。拝観料と開演の時刻、駐車場の台数は下の表で確かめてください。

高千穂の夜神楽の舞。面をつけた舞手が三十三番のうちの一番を舞う
高千穂の夜神楽の舞。面をつけた舞手が三十三番のうちの一番を舞う[5]
高千穂神楽の営業時間・料金
料金拝観料は1人 1,000円(小学生まで無料)。団体割引20名以上1人900円。
2026-09-16確認[6]
営業時間公演時間は20:00から21:00まで(1時間)。
2026-09-16確認[6]
概要高千穂神社境内の神楽殿で毎晩20時より1時間、三十三番の神楽の中から代表的な4番を公開。各集落の舞手が交代で奉納する。
2026-09-16確認[6]

天孫降臨の峰と、水種の井戸──槵觸神社

槵觸神社は、記紀神話で天孫降臨の地と伝わる「槵觸の峰」にあります。昔から神山として崇められ、高千穂八十八社の一つでした。古くは峰そのものを御神体として祀っていましたが、元禄7年(1694年)に社殿を建立しています。近くの天真名井は、天孫降臨の際に水がなかったため天村雲命が水種を移したと伝えられる場所で、欅の老木の根元からいまも水が湧き出ています。

この一帯には、鬼八の話も残ります。神武天皇の兄である三毛人野命が、東征の途中で高千穂に戻って悪行を働いていた鬼八を退治したものの、鬼八は強い魔力で一夜にして蘇ったため、身体を頭・胴・手足の三つに切り離して別々に埋めたと伝わります。埋葬されたとされる鬼八塚は「胴塚」「首塚」「手足塚」として今も残っています。

火砕流が削られた断崖──高千穂峡

高千穂峡は、太古の昔に阿蘇山の火山活動によって噴出した火砕流が冷え固まり、侵食されてできた峡谷です。高いところで100メートル、平均80メートルの断崖が東西に約7キロにわたって続きます。昭和9年に「五箇瀬川峡谷」として国の名勝・天然記念物に、昭和40年には祖母傾国定公園の一部に指定されました。峡谷内の真名井の滝は日本の滝百選に選ばれています。

高千穂峡の真名井の滝。日本の滝百選に選ばれた、峡谷のシンボルとされる滝
高千穂峡の真名井の滝。日本の滝百選に選ばれた、峡谷のシンボルとされる滝[7]

断崖は貸しボートで水面から見上げることもできます。受付場所は高千穂峡第1御塩井駐車場内で、受付を済ませてから乗り場へ移動します。定員は3名(未就学児を含めた場合のみ最大4名まで)で、ペットは乗船できません。待ち時間が発生すると受付終了時刻が繰り上がるので、下の表の最終受付より早めに向かうつもりで組んでください。

高千穂峡 貸しボートの営業時間・料金
営業時間通常営業時間は8:30~17:00(※最終受付16:30)。待ち時間が発生した場合は、受付終了時刻が繰り上がる。
2026-09-14確認[8]
料金乗船時間30分、超過料金は10分毎1000円。定員3名(未就学児を含めた場合のみ最大4名まで)。
2026-09-18確認[8]
営業時間通常営業時間は8:30~17:00(最終受付16:30)。待ち時間発生時は受付終了時刻が繰り上がる。
2026-09-18確認[8]

峡谷の茶屋と、釜炒り茶

高千穂峡の遊歩道の途中には「あららぎ乃茶屋」があり、かっぽ酒と鳥の丸焼が出されます。店内からは五ヶ瀬川の峡谷を刻む柱状節理がそそり立つ景色が見えると案内されています。峡谷を歩く途中の一軒なので、ボートの前後どちらにも寄れます。

食事なら、高千穂牛を出す「高千穂牛レストラン和」には、目の前でシェフが腕をふるう鉄板焼きのコーナーがあります。「たかちほ食堂」のチキン南蛮定食は、手作りのタルタルソースと南蛮酢を使ったものです。

町の特産品は釜炒り茶です。「杜のテラス 十社さん」では、その釜炒り茶をふんだんに使った釜炒り茶ソフトが出されます。夜の神楽までの時間を町なかで過ごすなら、この一杯を挟むと考えると組みやすくなります。

釜炒り茶の茶葉。高千穂町の特産品とされるお茶
釜炒り茶の茶葉。高千穂町の特産品とされるお茶[9]

過ごし方:昼に神話の場所、夜に神楽殿

午前は天岩戸神社の西本宮から始めます。天安河原まで岩戸川沿いに進み、戻って東本宮へ。社務所の時間は旅支度と出典の表で確かめてください。

昼は町なかで食事を取り、午後は高千穂神社と槵觸神社へ。そのあと高千穂峡に下ります。貸しボートに乗るなら最終受付は16:30と案内されているので、峡谷は午後の早いうちに回すほうが無理がありません。

夜はもう一度、高千穂神社の神楽殿へ。公演時間は20:00から21:00までと案内されています。昼にたどった岩戸と河原の名前を覚えたまま座ると、舞の意味が追いやすくなります。

11月に合わせて訪ねるなら、11月3日の天岩戸夜神楽三十三番大公開祭り、11月22日・23日の神話の高千穂神楽まつり、そして11月中旬から始まる集落の夜神楽があります。日程はこの秋の催しで確かめてください。

もう一日足すなら:雲海の丘と、廃線のカート

国見ヶ丘の雲海は、例年9月下旬から12月上旬にかけて、自然の条件が揃った日に発生すると案内されています。条件は、2〜3日晴れが続くこと、朝晩と昼の温度差が15度以上あること、適度な湿度があること、そして晴天で風の無い日の朝であること。狙って行くものではないので、泊まった翌朝の選択肢として持っておくくらいがちょうどよいはずです。

国見ヶ丘からの眺め。雲海は条件が揃った日の朝に現れるとされる
国見ヶ丘からの眺め。雲海は条件が揃った日の朝に現れるとされる[10]

高千穂あまてらす鉄道は、平成17年に台風の影響で廃線になった旧高千穂鉄道の線路を、オリジナルのスーパーカートで走るものです。鉄道が通っていた頃の景色を、線路の上から見ることになります。

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この旅の続きを、どこに泊まる?

夜の神楽まで組むなら、高千穂の町に泊まる前提で考えると無理がありません。神社側に泊まるか、峡谷側に泊まるか、バスセンターの近くにするかで、夜の帰り道と翌朝の動き方が変わります。

この秋の催し

日程は出典先で最新をご確認ください。

11月3日
2026年の開催予定
第65回天岩戸夜神楽三十三番大公開祭り
令和8年11月3日(火)に天岩戸夜神楽三十三番大公開祭りを執り行う。
[11]
例年11月中旬〜翌年2月上旬(集落ごとに日程が異なる)
例年の時期
高千穂の夜神楽
毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内約二十の集落で夜通し奉納される「高千穂の夜神楽」。夜神楽とは、里ごとに氏神様を神楽宿と呼ばれる民家や公民館にお招きし、夜を徹して三十三番の神楽を奉納する、昔から受け継がれてきた神事です。
[12]
11月22日〜11月23日
例年の時期
神話の高千穂神楽まつり
毎年11月22日、23日に例年開催される。
[6]
旅支度と出典(営業時間・料金・アクセス・注意)

知っておきたいこと

  • 国見ヶ丘雲海は、例年9月下旬から12月上旬にかけて自然の条件が揃った日に発生する。雲海がでる条件は、2・3日晴れが続き、朝晩と昼と温度差が15度以上で、適度な湿度があり、晴天の風の無い日の朝に見ることができる。
    2026-09-14確認[13]
  • 高千穂の夜神楽ご覧になられる場合は、御初穂料として熨斗をつけた焼酎、もしくはお気持ちを包んでお渡しするのがマナーと言われている。御初穂料は、「1人当たり3000円~4000円」「2人で5000円ほど」が相場と言われている。
    2026-09-14確認[14]
  • 高千穂神楽駐車場は約100台(無料)。
    2026-09-16確認[6]
  • 高千穂峡 貸しボート定員3名(未就学児を含めた場合のみ最大で4名まで乗船可)。ペット乗船禁止。
    2026-09-17確認[8]
  • 高千穂神社高千穂バスセンターから徒歩15分。
    2026-09-17確認[15]
  • 高千穂神社駐車場あり(無料・約100台)。
    2026-09-17確認[15]
  • 天安河原天岩戸神社西本宮から岩戸川に沿って徒歩約10分。
    2026-09-18確認[16]
  • 高千穂峡 貸しボート受付場所は高千穂峡第1御塩井駐車場内。受付後に貸しボート乗り場へ移動。
    2026-09-18確認[8]

営業時間・料金・アクセス

金額・時間は確認日時点のものです。出かける前に出典先でご確認ください。

高千穂峡

概要太古の昔、阿蘇山の火山活動によって噴出した火砕流が冷え固まり侵食された断崖がそそり立つ峡谷で、高いところで100m、平均80mの断崖が東西に約7キロに渡って続いており、昭和9年には「五箇瀬川峡谷」として国の名勝・天然記念物に、昭和40年には祖母傾国定公園の一部に指定されています。峡谷内には日本の滝百選に指定されている名瀑「真名井の滝」があり、高千穂峡のシンボルとなっています。
2026-09-14確認[17]

高千穂あまてらす鉄道

概要平成17年に台風の影響で廃線になった旧高千穂鉄道の線路をあまてらす鉄道オリジナルのスーパーカートで雄大な景色を楽しむことができる。
2026-09-14確認[18]

高千穂峡 貸しボート

営業時間通常営業時間は8:30~17:00(※最終受付16:30)。待ち時間が発生した場合は、受付終了時刻が繰り上がる。
2026-09-14確認[8]
料金乗船時間30分、超過料金は10分毎1000円。定員3名(未就学児を含めた場合のみ最大4名まで)。
2026-09-18確認[8]
営業時間通常営業時間は8:30~17:00(最終受付16:30)。待ち時間発生時は受付終了時刻が繰り上がる。
2026-09-18確認[8]

天岩戸神社

営業時間社務所の時間は8:30~17:00。
2026-09-16確認[2]

高千穂神楽

料金拝観料は1人 1,000円(小学生まで無料)。団体割引20名以上1人900円。
2026-09-16確認[6]
営業時間公演時間は20:00から21:00まで(1時間)。
2026-09-16確認[6]
概要高千穂神社境内の神楽殿で毎晩20時より1時間、三十三番の神楽の中から代表的な4番を公開。各集落の舞手が交代で奉納する。
2026-09-16確認[6]

岩戸に隠れた太陽を、神々の舞が呼び戻した。高千穂では、その舞が三十三番の神楽として集落に残り、いまも夜ごと奉納されています。昼にたどる場所の名前を覚えてから神楽殿へ向かうと考えると、夜に見る舞の意味が変わります。

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。飲酒運転は法律で禁止されています。

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情報について

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注

  1. 写真:sk01(Wikimedia Commons・CC BY-SA 3.0)・利用条件
  2. 施設公式 amanoiwato-jinja.jp(2026-09-16確認)
  3. 写真:sk01(Wikimedia Commons・CC BY-SA 3.0)・利用条件
  4. 写真:Naokijp(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)・利用条件
  5. 写真:David Stanley from Nanaimo, Canada(Wikimedia Commons・CC BY 2.0)・利用条件
  6. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-16確認)
  7. 写真:TANAKA Juuyoh (田中十洋) from Japan(Wikimedia Commons・CC BY 2.0)・利用条件
  8. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-14確認)
  9. 写真:Difference engine(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)・利用条件
  10. 写真:STA3816(Wikimedia Commons・CC BY-SA 3.0)・利用条件
  11. 施設公式 amanoiwato-jinja.jp(2026-09-16確認)
  12. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-14確認)
  13. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-14確認)
  14. 自治体 town-takachiho.jp(2026-09-14確認)
  15. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-17確認)
  16. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-18確認)
  17. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-14確認)
  18. 観光協会 takachiho-kanko.info(2026-09-14確認)
  19. 写真:MaedaAkihiko(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)・利用条件
  20. 写真:MaedaAkihiko(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)・利用条件
  21. 写真:663highland(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)・利用条件
  22. 写真:Yasuhiro from Tokyo, Japan(Wikimedia Commons・CC BY 2.0)・利用条件
  23. 写真:certified(Wikimedia Commons・CC BY 3.0)・利用条件