
龍馬像の立つ浜は、長宗我部の城跡だった。桂浜から高知城へ、土佐の主の移り変わりをたどる旅
桂浜は、高知県の太平洋に面した海岸です。龍頭岬の上には坂本龍馬の銅像が立ち、太平洋を見つめています。その浜の背後の山一帯は、長宗我部氏最後の居城・浦戸城の跡でもあります。浦戸から高知城へ、そして城下に生まれた龍馬へ。土佐の主が移り変わった跡を、海辺と城でたどる一日です。
基本
所在地 高知・桂浜は高知県にあります。
行き方

旅の輪郭
舞台は二つです。ひとつは桂浜とその背後の浦戸城跡で、龍馬像、海の神を祀る龍王岬、坂本龍馬記念館、一領具足供養の碑がこの一帯にあります。もうひとつは山内一豊が築いた高知城と、その城下。桂浜へは、南はりまや橋から桂浜行のとさでん交通バスが出ていると案内されています。車なら桂浜公園の駐車場(有料)が使えます。二つの舞台の間の移動手段と時間は、この記事では扱っていません。出かける前に確かめてください。
浦戸の城から、高知城と龍馬へ
鏡川から浦戸へ移った城──浦戸城跡
長宗我部元親は天正16年(1588)、大高坂山に城を築こうとしましたが、鏡川の治水に失敗し、天正19年(1591)に浦戸へ移って本拠としました。浦戸は、紀貫之の『土佐日記』にも出てくる港です。いま国民宿舎「桂浜荘」と坂本龍馬記念館が建っているあたりが、この城の本城にあたります。

龍馬の記念館が、長宗我部の本城の跡に建っている。そう考えると、桂浜の一帯には土佐の二つの時代が重なっていることが見えてきます。この城の名残が少ない理由は、次の城の話につながります。
城の明け渡しを拒んだ旧臣たち──一領具足供養の碑
慶長5年(1600)、関ヶ原の合戦で敗れた長宗我部氏は土佐を取り上げられ、山内一豊が入国しました。一領具足とは屯田兵のことです。浦戸城の明け渡しを拒んだ旧臣の一領具足たちは重役家臣団と対立して戦い、討ち取られた273人の首は大阪に送られ、胴体は石丸塚として葬られました。この戦いを浦戸一揆といいます。
供養の碑は、浦戸城の明け渡しをめぐる戦いの跡を伝えるものです。城の主が替わったあと、新しい主は浦戸の城に入らず、別の場所に新しい城を築きます。
浦戸の石垣を運んだと伝わる城──高知城
関ヶ原の功績で徳川家康から土佐一国を拝領した山内一豊は、慶長6年(1601)に高知城の築城を始め、慶長16年(1611)に完成させました。一豊はこの城を築くにあたり、浦戸城の石垣などを取り壊して運んだといわれ、浦戸城はいま石垣の一部と、尾根の西方の二ノ丸付近に3条の堀切を残すのみです。

享保12年(1727)の城下町の大火で、高知城は追手門以外の建物のほとんどを焼失し、宝暦3年(1753)までに創建当時の姿で再建されました。焼け残ったのが追手門だと知ってから門を見ると、城の入口だけが大火の前から建っている門だと気づきます。最終入館は閉館の30分前です。
| 料金 | 天守・懐徳館・東多聞・廊下門の利用料金は18歳以上個人500円(団体20名以上400円)、18歳未満は無料 2026-09-27確認[3] |
|---|---|
| 営業時間 | 高知城天守・懐徳館の開館時間は9:00~17:00(最終入館16:30まで)。休館日は12月26日~1月1日 2026-09-27確認[3] |
城下に生まれ、桂浜に立つ──坂本龍馬像
坂本龍馬は天保6年(1835)11月15日、郷士の二男として高知城下の本丁筋、いまの高知市上町で生まれました。一豊が築いた城の、城下に生まれた人です。

桂浜の龍馬像は、昭和3年(1928)5月27日に除幕されました。高知県の青年有志が募金活動を行い、当時の金額にして2万5千円を集めて建てたものです。像の高さは5.3メートル、台座を含めた総高は13.5メートル。坂本龍馬記念館は平成3年(1991)、龍馬の誕生日である11月15日に開館し、2018年4月にリニューアルされています。城下に生まれた人の像が、長宗我部の城跡の浜に立つ。桂浜と高知城を一日で歩くと、土佐の主の交代が一続きの話として見えてきます。
月の浜と、海の神の岬──桂浜を歩く
二つの岬の間の、月の名所──桂浜
桂浜は龍頭岬と竜王岬の間に広がる弓状の砂浜で、「月の名所は桂浜」と土佐民謡よさこい節でも唄われてきました。弓状の砂浜と背後の松林の風景は、日本の渚百選に選ばれています。龍馬像が立つのは、二つの岬のうち龍頭岬の上です。

桂浜公園は入園料がなく、休園日もありません。お土産物エリア「海のテラス」もこの公園の中にあります。
| 営業時間 | 公園は24時間ご利用いただけます。公園の休園日はございません。入園料はございません。 2026-09-14確認[5] |
|---|---|
| 概要 | 雄大な太平洋に面している桂浜は,月の名所としても名高く,よさこい節にも唄われている景勝地。お土産物エリア「海のテラス」がリニューアルオープン。 2026-09-14確認[6] |
海の神を祀る岬──龍王岬
もう一方の岬、龍王岬の上部には、海津見神社(龍王宮)と早高神社の祠が建っています。海津見神社の御祭神は大綿津見神で、御神徳には海上安全や漁業豊登が挙げられています。龍頭岬の龍馬像と、龍王岬の海の神。浜の両端に何が祀られ、何が立っているかを見比べると考えると、桂浜の歩き方が決まります。

元親が初陣の前に祈った社──若宮八幡宮
長宗我部元親は永禄3年(1560)、22歳で初陣を迎えました。その初陣にあたり若宮八幡宮に戦勝を祈願したといわれ、以後この社を出陣の際の戦勝祈願の社として崇敬したと伝わります。合戦前夜に若宮八幡宮に陣取った元親の姿を表した「長宗我部元親初陣の像」は、没後400年を記念して平成11年(1999)に、港南地域の異業種集団「一領具足会」が中心となって建立しました。浦戸城に移るよりずっと前、若い元親の姿です。
毎年4月上旬には「どろんこ祭り」が開かれ、女性が男性に泥を塗り、塗られた男性はお礼を言うのがならわしと伝わります。
海の神の浜から、漁師の味へ
龍王岬の海の神に漁業豊登が祈られてきたことを思い出すと、土佐の味の入口はかつおです。かつおのたたきは、漁師が船上で食べていたまかないが一般に伝わったとされる料理。保存技術のない時代に、船上で鮮度が落ちたカツオを食べるために「たたき」という料理法が発展したともいわれます。かつおの臓物の塩辛「酒盗」は「酒を盗んででも飲みたくなるほど酒に合う」ことから付いた名前と言われ、腹皮部の塩焼きは「はらんぼ」と呼ばれます。

大勢で囲むなら皿鉢料理。皿鉢は料理方法ではなく、盛り付けの奔放さや食べ方のスタイルを表す名称で、食べたいものを自分の小皿にとって食べます。田舎寿司は、昆布やのりが手に入りにくかった時代に、山でとれる食材ですしを作ったのが始まりとされます。
土産の菓子なら芋けんぴ。高知では江戸の昔から、小麦粉を棒状に焼き固めた干菓子を「けんぴ」と呼び、形が似ていることから芋で作ったものが「芋けんぴ」と呼ばれるようになりました。

桂浜では、岩松冷菓がこの浜の名物アイスクリンを出していて、本浜休憩所で海を眺めながら食事ができます。
過ごし方:浦戸の浜から、城下へ
午前は桂浜から。龍頭岬の龍馬像を見てから、浜を歩いて龍王岬の海津見神社へ。浜の背後に戻り、浦戸城の本城にあたる坂本龍馬記念館のあたりと、一領具足供養の碑を訪ねます。昼は浜の休憩所でアイスクリンを。
午後は城下へ移って高知城へ。大火で焼け残った追手門から入り、浦戸から運ばれたと伝わる石垣の城を歩きます。城のあとは、龍馬が生まれた上町へ足を延ばすと、桂浜の像に始まった一日が城下で閉じます。

この秋は、高知城の二ノ丸・懐徳館で「高知城オータムフェスティバル」が10月24日・25日と11月21日から23日に開かれます。入場は無料で、天守・懐徳館は有料です。日程はこの秋の催しで確かめてください。
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この旅の続きを、どこに泊まる?
桂浜の朝から始めるなら、前夜は城下に泊まっておくと動きやすくなります。高知城の日を翌日に回すなら城下の宿、列車で着いて駅から動くなら駅前の宿が起点になります。
この秋の催し
日程は出典先で最新をご確認ください。
| 10月24日〜10月25日 2026年の開催予定 | 高知城オータムフェスティバル 会場は高知城 二ノ丸・懐徳館。開催時間は10:00~19:00。入場は無料(天守・懐徳館は有料) [10] |
|---|---|
| 11月7日〜11月28日 2026年の開催予定 | 文化にどっぷり高知旅「学芸員によるバックヤードツアー」 当館では11月の龍馬月間に学芸員によるバックヤードツアーを開催。普段は立ち入れない裏側を見学して博物館施設の仕組みを学ぶことができる。特別企画「土佐ゆかりの刀剣」展にちなんで刀の取扱い方のレクチャーを行い、模造刀で実際に体験も可能。 [11] |
| 11月21日〜11月23日 2026年の開催予定 | 高知城オータムフェスティバル 会場は高知城 二ノ丸・懐徳館。開催時間は10:00~19:00(11月21日のみ10:00~21:00)。入場は無料(天守・懐徳館は有料) [10] |
旅支度と出典(営業時間・料金・アクセス・注意)
知っておきたいこと
- 桂浜公園駐車場有料。自動車:500円。自動二輪:200円。大型バス:1,500円。営業時間:8:30~18:00(開門6:00、閉門22:30)。台数:普通車500台。
2026-09-14確認[12] - 高知城普通自動車は収容台数65台。最初の1時間370円、以降30分毎に110円
2026-09-27確認[3] - 桂浜車は高知自動車道・高知ICから約25分、高知東部自動車道・高知南ICから約15分。バスはとさでん交通バス南はりまや橋から桂浜行終点下車約30分、海岸まで徒歩5分
2026-09-27確認[13] - 桂浜有料。自動車500円、自動二輪200円、大型バス1,500円。営業時間8:30~18:00(開門6:00、閉門22:30)。台数は普通車500台
2026-09-27確認[13] - 桂浜水族館とさでん交通バス利用の場合「JR高知駅」または「はりまやばし」まで桂浜行30分。
2026-10-01確認[14] - 高知県立牧野植物園駐車場無料(普通車225台、バス6台)。
2026-10-01確認[15] - 坂本龍馬記念館JR「高知駅」下車、バス停「高知駅BT(バスターミナル)」からとさでん交通バス「桂浜」行きに乗車、「龍馬記念館前」下車(所要時間約34分)徒歩約2分。
2026-10-01確認[16] - 坂本龍馬記念館普通車42台(うち障害者用駐車場2台)、バス3台(ただし大型は2台)、駐車無料。
2026-10-01確認[17]
営業時間・料金・アクセス
金額・時間は確認日時点のものです。出かける前に出典先でご確認ください。
桂浜公園
| 営業時間 | 公園は24時間ご利用いただけます。公園の休園日はございません。入園料はございません。 2026-09-14確認[5] |
|---|---|
| 概要 | 雄大な太平洋に面している桂浜は,月の名所としても名高く,よさこい節にも唄われている景勝地。お土産物エリア「海のテラス」がリニューアルオープン。 2026-09-14確認[6] |
高知城
| 料金 | 天守・懐徳館・東多聞・廊下門の利用料金は18歳以上個人500円(団体20名以上400円)、18歳未満は無料 2026-09-27確認[3] |
|---|---|
| 営業時間 | 高知城天守・懐徳館の開館時間は9:00~17:00(最終入館16:30まで)。休館日は12月26日~1月1日 2026-09-27確認[3] |
桂浜
| 概要 | 太平洋に面した海岸で、古くから「月の名所」として知られる。弓状に広がる砂浜、青い海、背後の松林が織りなす風景は日本の渚百選に選ばれている。坂本龍馬の銅像が太平洋を見つめている 2026-09-27確認[13] |
|---|
桂浜水族館
| 営業時間 | 時間は9:00~17:00、年中無休。 2026-10-01確認[18] |
|---|
高知県立牧野植物園
| 料金 | 一般850円(高校生以下無料)、団体(20名以上)750円。 2026-10-01確認[15] |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00~17:00(最終入園16:30)。 2026-10-01確認[15] |
坂本龍馬記念館
| 料金 | 企画展開催時は大人(18才以上)900円、団体(20人以上)720円。その他の期間は大人(18才以上)500円、団体(20人以上)400円。高校生以下無料。 2026-10-01確認[17] |
|---|---|
| 営業時間 | 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分頃まで)。 2026-10-01確認[17] |
元親が移った浦戸の浜、一豊が石垣を運んだと伝わる城、その城下に生まれて浜に像として立つ龍馬。桂浜と高知城は、土佐の主が替わっていった順番を、行き来しながら読める二つの場所です。
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情報について
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注
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- 施設公式 katurahama-aq.jp(2026-10-01確認)
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