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栃木県・鬼怒川温泉

「滝の湯」から鬼怒川温泉へ。名前の由来をたどって、渓谷の湯を歩く旅

鬼怒川温泉は、栃木県の渓谷沿いに旅館やホテルが建ち並ぶ温泉地です。江戸時代に見つかった湯は「滝の湯」と呼ばれ、日光詣の僧侶や大名だけが入ることを許されていました。その湯が誰でも入れる温泉になり、名前を変えるまでの歩みを知ってから、楯岩や龍王峡など、名前に由来を持つ場所をたどります。

基本

所在地 鬼怒川温泉は栃木県にあります。

行き方

  • 鬼怒川温泉 車は日光宇都宮道路「今市IC」から20分。電車は東武鬼怒川線「鬼怒川温泉駅」または「鬼怒川公園駅」下車。
    2026-09-14確認[8]
  • 龍王峡 車は日光宇都宮道路「今市IC」から約35分。電車は野岩鉄道会津鬼怒川線「龍王峡駅」下車すぐ。虹見の滝まで駅から徒歩約12分
    2026-09-27確認[9]
龍王峡。火山岩が鬼怒川の流れに削られてできたと言われる渓谷
龍王峡。火山岩が鬼怒川の流れに削られてできたと言われる渓谷[1]

旅の輪郭

舞台は鬼怒川の渓谷に沿った鬼怒川温泉の温泉街と、龍王峡・川治温泉です。電車なら東武鬼怒川線の鬼怒川温泉駅か鬼怒川公園駅が起点になります。本編は温泉の由来と、温泉街の吊橋・陶像・ロープウェイ。龍王峡と川治温泉は「もう一日足すなら」として後半に分けています。移動の所要時間は、この記事では扱っていません。

「滝の湯」と呼ばれた湯治場

僧侶と大名だけの湯──滝の湯

鬼怒川温泉の湯が見つかったのは江戸時代で、元禄4年(1691)という説があります。場所は鬼怒川の西岸、滝地区。「滝の湯」という名で、火傷や皮膚病などの湯治場として使われていました。

当時この湯に入ることを許されたのは、日光詣の僧侶や大名だけだったといいます。一般の人が入れるようになったのは明治以降のことです。泉質はアルカリ性単純温泉。いま温泉街で入る湯は、かつて限られた人だけの湯だった、と考えると、宿の湯に入る意味が一つ増えます。

名前が変わり、旅館が並ぶまで──鬼怒川温泉

「滝の湯」が「鬼怒川温泉」と改名したのは昭和2年(1927)です。2年後の昭和4年(1929)に東武鉄道日光線が開通すると、大型の温泉ホテルや旅館が次々に建てられました。渓谷沿いに宿が建ち並ぶいまの温泉街の姿は、鉄道の開通から始まったものです。

鬼怒川温泉ロープウェイで丸山の山頂へ上がると、総檜造りの展望台から温泉街を見渡せます。山頂には温泉神社も併設されています。湯治場が鉄道とともに大きな温泉地になった歩みを、上から眺める場所として考えると、ロープウェイに乗る理由が一つ増えます。

名前に由来のある場所を歩く

楯に似た岩へ渡る──鬼怒楯岩大吊橋

鬼怒楯岩大吊橋は、温泉街の南部と楯岩を結ぶ、全長約140mの歩行者専用の吊橋です。橋の上流にそそり立つ楯岩は、戦いのときに使う楯に似ていることから名づけられたと伝わり、高さは約100mあります。橋の上から、名前のもとになった岩の形を確かめてみてください。

秋には、この吊橋とその周辺をあかりで照らす「月あかり花回廊」が開かれます。2026年は10月3日から12日までの予定で、期間中の土曜日には花火も上がります。日程と時間はこの秋の催しで確かめてください。

鬼怒楯岩大吊橋を、たもとから。緑の山へ向かって吊橋が延びています
鬼怒楯岩大吊橋を、たもとから。緑の山へ向かって吊橋が延びています[2]

邪鬼を払う鬼の像──鬼怒太と鬼怒子

鬼怒川に架かる橋のたもとなどには、邪鬼を払い福を招くという鬼怒太・鬼怒子の陶像があり、全部で6つあります。温泉街に点在する鬼の陶像は、栃木県益子町在住の陶壁作家・藤原郁三氏が制作したものです。

鬼怒川温泉駅の駅前広場には、鬼怒太の像を目印にした無料の足湯「鬼怒太の湯」があり、手湯もあります。駅に着いたら最初に鬼怒太に会い、橋を渡るたびにたもとの像を探すと、温泉街を歩く順番が自然に決まります。

温泉街で選ぶ菓子と、足湯のモンブラン

鬼怒川温泉の土産の菓子に、物語の由来は伝わっていません。ここでは、温泉街を歩く途中の寄り道として選びます。

「きぬの清流」は鬼怒川温泉の銘菓で、油脂・保存料・合成着色料を使わず、日光・鬼怒川温泉の四季の彩りをお菓子にした季節限定の品もあります。菓匠虎彦などでつくられています。駅前の「バウムクーヘン工房 はちや」のバウムクーヘンは、地元日光の地たまごと北関東の小麦を使い、一層ずつ焼き上げたものです。

鬼怒川センターこだかでは、ゆば揚げまんじゅうや温泉饅頭などの土産を扱い、ゆばや蕎麦、川魚の塩焼きを出す和風の食事処もあります。ホテルサンシャイン鬼怒川の中にある「足湯カフェespo」では、鬼怒川名物の珈琲モンブランを足湯につかりながら食べられます。湯治場の町らしく、湯につかったまま一休みする寄り道です。

過ごし方:駅の足湯から、吊橋と展望台へ

1日目は鬼怒川温泉駅から。駅前の鬼怒太の湯で鬼怒太の像に会い、足湯か手湯で旅を始めます。

橋のたもとの鬼怒太・鬼怒子の陶像を探しながら、温泉街の南部にある鬼怒楯岩大吊橋へ。橋の上から楯岩の形を確かめます。月あかり花回廊の期間なら、日が暮れてから吊橋へもう一度戻ると考えると、昼と夜で同じ橋を二度見られます。

午後は鬼怒川温泉ロープウェイで丸山の山頂へ。展望台から、鉄道の開通とともに宿が建ち並んだ温泉街を見下ろします。土産の菓子は、宿に入る前に駅前と温泉街で選びます。

紅葉の見頃は例年、鬼怒川温泉街と鬼怒楯岩大吊橋が10月下旬から11月中旬、日塩もみじラインは10月中旬から11月上旬が目安とされています。天候で変わるので、出かける前に確かめてください。

もう一日足すなら:龍王峡と川治温泉

龍王峡は、その光景が龍がのたうつような姿であることから、昭和25年に名付けられました。およそ2,200万年前、海底火山の活動で噴き出した火山岩が鬼怒川の流れに削られて、今の景観になったと言われています。電車なら野岩鉄道会津鬼怒川線の龍王峡駅が最寄りです。

虹見の滝は、滝に陽光が差したときに見える虹から、その名で呼ばれるようになりました。すぐそばの五龍王神社は、鬼怒川・川治温泉の守り神とされる龍王を祀っています。峡谷の名前の「龍王」が、そのまま二つの温泉の守り神の名前でもあります。

龍王峡の虹見の滝。岩壁を落ちる滝と、色づいた木々
龍王峡の虹見の滝。岩壁を落ちる滝と、色づいた木々[3]

川治温泉は、江戸時代の享保年間、鬼怒川の上流の男鹿川が氾濫したときに見つかったといわれる湯です。「傷は川治、火傷は滝(鬼怒川)」といわれ、川治はすり傷などの創傷に良いとされて湯治場として使われました。火傷の湯治場だった「滝の湯」と並べて読むと、同じ川筋の二つの湯が、それぞれ役目を分けていたことが分かります。

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この旅の続きを、どこに泊まる?

温泉街の宿は渓谷沿いに並んでいます。吊橋や月あかり花回廊の夜を旅程に入れるなら、温泉街に泊まると夜の散策を組み込めます。「滝の湯」の地区に泊まるか、楯岩を眺める宿にするか、物語のどこに近いかで選ぶのも一つの考え方です。

この秋の催し

日程は出典先で最新をご確認ください。

10月3日〜10月10日
終了
百華繚乱花火~鬼怒川焔火~
月あかり花回廊イベント期間中の土曜日に開催される花火。実施予定日は10月3日(土)・10日(土)、観覧場所は鬼怒川温泉駅前広場、打上時間は20:45~約8分予定。
[4]
10月3日〜10月12日
会期末・10月12日まで
月あかり花回廊 第17章
鬼怒楯岩大吊橋および周辺をライトアップするイベント。開催期間は2026年10月3日(土)~10月12日(月・祝)予定、ライトアップ時間は18:30~21:00。
[5]
10月3日〜10月12日
会期末・10月12日まで
鬼怒川温泉 月あかり花回廊 第17章
会場を新たに「鬼怒楯岩大吊橋」および周辺をライトアップする。ライトアップ開催期間:2026年10月3日(土)~10月12日(月・祝)予定。ライトアップ時間:18:30~21:00。会場:鬼怒楯岩大吊橋。
[5]
10月3日〜10月12日
会期末・10月12日まで
鬼怒川温泉 月あかり花回廊 第17章
ライトアップ開催期間は2026年10月3日(土)~10月12日(月・祝)、ライトアップ時間は18:30~21:00。会場は鬼怒楯岩大吊橋周辺
[5]
10月11日〜11月20日
例年の時期
鬼怒川温泉・川治温泉の紅葉(見頃目安)
例年の見頃目安。川治温泉街・日塩もみじラインは10月中旬〜11月上旬、龍王峡・鬼怒川温泉街・鬼怒楯岩大吊橋は10月下旬〜11月中旬。天候により変化する。
[6]
10月21日〜11月20日
例年の時期
鬼怒川温泉の紅葉の見頃(目安)
鬼怒川温泉の紅葉の見頃(目安)は、日塩もみじライン:10月中旬~11月上旬、龍王峡:10月下旬~11月中旬、鬼怒川温泉街:10月下旬~11月中旬、鬼怒楯岩大吊橋:10月下旬~11月中旬。見頃は例年のもの。
[7]
旅支度と出典(営業時間・料金・アクセス・注意)

知っておきたいこと

  • 鬼怒川温泉車は日光宇都宮道路「今市IC」から20分。電車は東武鬼怒川線「鬼怒川温泉駅」または「鬼怒川公園駅」下車。
    2026-09-14確認[8]
  • 龍王峡車は日光宇都宮道路「今市IC」から約35分。電車は野岩鉄道会津鬼怒川線「龍王峡駅」下車すぐ。虹見の滝まで駅から徒歩約12分
    2026-09-27確認[9]

営業時間・料金・アクセス

金額・時間は確認日時点のものです。出かける前に出典先でご確認ください。

鬼怒川温泉

概要江戸時代に発見され、当時は日光詣の僧侶や大名のみが入ることを許された温泉。明治以降に一般開放され、渓谷沿いに旅館・ホテルが建ち並ぶ関東有数の大型温泉地。泉質はアルカリ性単純温泉。
2026-09-14確認[8]
概要温泉の泉質は、天然アルカリ性単純泉である。
2026-09-14確認[10]

鬼怒川ライン下り

料金乗船料金は大人(中学生以上)3,500円、子供(4才から小学生まで)2,400円、幼児(1才から3才まで)800円。
2026-09-14確認[11]

鬼怒川温泉ロープウェイ

概要標高約700mの丸山山頂へ約3分半で登るロープウェイ。山頂には総檜造りの展望台があり鬼怒川温泉街を一望できる。温泉神社や猿園も併設されている。
2026-09-14確認[12]

鬼怒楯岩大吊橋

概要鬼怒川温泉街の南部と名勝「楯岩」を結ぶ全長約140mの歩行者専用吊橋。高さ約37mの橋上からは鬼怒川の急流や緑豊かな山々を眺めることができる。
2026-09-14確認[13]

鬼怒太の湯

概要東武鉄道鬼怒川温泉駅の駅前広場にある無料の足湯施設。鬼怒川温泉のキャラクター・鬼怒太の像が目印で、手湯も楽しむことができる。
2026-09-14確認[14]

龍王峡

見どころ川治温泉からは起伏の少ない遊歩道が整備されており、約7km、3~4時間程度で歩くことができる
2026-09-27確認[9]

僧侶と大名だけの「滝の湯」、楯に似た岩、龍がのたうつような峡谷。鬼怒川温泉は、名前の由来を知ってから歩くと、湯と渓谷の歩みが一本の川筋につながる土地です。

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情報について

この記事の由来・営業時間・催しは、自治体・観光協会・施設の公開ページを確認して書いています(最終確認 2026-09-28)。訪問して得た感想は書いていません。当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。リンク先での予約・購入により当サイトに報酬が入ることがあります。誤りはお問い合わせから。

注

  1. 写真:663highland(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)・利用条件
  2. 写真:くろふね(Wikimedia Commons・CC BY 4.0)・利用条件
  3. 写真:くろふね(Wikimedia Commons・CC BY 4.0)・利用条件
  4. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-14確認)
  5. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-14確認)
  6. 観光協会 tochigiji.or.jp(2026-09-14確認)
  7. 観光協会 tochigiji.or.jp(2026-09-14確認)
  8. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-14確認)
  9. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-27確認)
  10. 自治体 city.nikko.lg.jp(2026-09-14確認)
  11. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-14確認)
  12. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-14確認)
  13. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-14確認)
  14. 観光協会 nikko-kankou.org(2026-09-14確認)
  15. 写真:663highland(Wikimedia Commons・CC BY 2.5)・利用条件
  16. 写真:Ka23 13(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)・利用条件
  17. 写真:京浜にけ(Wikimedia Commons・CC BY 3.0)・利用条件
  18. 写真:KΛNΛTΛ(Wikimedia Commons・CC BY-SA 3.0)・利用条件