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長野県・軽井沢

宣教師の避暑から始まった町へ。軽井沢で、別荘地の明治をたどる旅

長野県の軽井沢町は、群馬県と境を接する町です。避暑地としての軽井沢は、1886年(明治19)、カナダ生まれの宣教師ショーがこの地を訪れ、家族や友人に勧めてその夏に避暑に来たのが始まりだと言われています。外国人の別荘から生まれた家具の彫刻、日本人が建てた西洋式のホテル、宣教師伝来と伝えるジャム。別荘地の明治をたどる一日です。

基本

所在地 軽井沢は長野県にあります。

白糸の滝。湯川の水源で、横に広い岩肌から幾筋もの地下水が落ちている
白糸の滝。湯川の水源で、横に広い岩肌から幾筋もの地下水が落ちている[1]

旅の輪郭

本編は、ショーの名が残る通りと、旧三笠ホテル、軽井沢彫、旧軽井沢銀座のジャム店。明治の別荘地に生まれたものを順に見ていきます。白糸の滝・雲場池・旧碓氷峠の見晴台は、高原の水と峠を見る寄り道として「訪ねる場所」の章にまとめました。それぞれの場所の間の移動手段と時間は、この記事では扱っていません。出かける前に確かめてください。

ショーの避暑から、別荘地の明治へ

故郷の高原に似ていた山麓──ショー通り

軽井沢町の年表には、1888年(明治21)にショーが大塚山に別荘を建て、これが別荘の第一号だったとあります。その始まりの場面は、作家の堀辰雄が随筆に書き残しています。鉄道が通って間もない頃、軽井沢を訪れた外国人牧師ショーがこの山麓を故郷の霧深い高原に似ていると気づき、掘っ立て小屋を建てて一夏を過ごしたのが始まりとされます。

いまも軽井沢には、その牧師の名を冠した「ショー通り」があります。通りの名前を、この町の別荘地がひとりの宣教師の夏から始まった印と考えると、軽井沢の通りの見え方が変わります。外国人の避暑が始まったあと、この町には彼らを迎える建物が建っていきました。

日本人の手で建てた西洋のホテル──旧三笠ホテル

旧三笠ホテルは明治38年(1905)に竣工し、翌明治39年に営業を始めた純西洋式の木造ホテルです。設計から施工まで、すべて日本人の手で行われました。明治・大正の時代を築いた人々が訪れた面影を伝える建物として、昭和55年5月に国の重要文化財に指定されています。

外国人が開いた避暑地に、日本人が西洋式のホテルを建てた。その順番を知ってから建物を見ると、洋風の外観が誰の手によるものかに目が向きます。

別荘の家具から生まれた彫刻──軽井沢彫

別荘に住む外国人が使う西洋家具に、日光から日光彫りの職人を招いて明治41年に創業したのが、軽井沢彫の始まりです。昭和58年10月には長野県の伝統的工芸品に指定されました。

ホテルと同じく、軽井沢彫も外国人の別荘暮らしから生まれたものです。日光の社寺の町の技が、軽井沢の洋家具の上で別の形になった、と考えるとつながりが見えてきます。由来は軽井沢町の軽井沢彫の案内で読めます。

別荘に残る作家の足跡──浄月庵

別荘地には作家の足跡も残ります。作家・有島武郎の父が建てた別荘「浄月庵」は、大正12年6月に武郎が中央公論社『婦人公論』の記者・波多野秋子と心中した場所です。その建物は、いまは軽井沢高原文庫の中に移築されています。

高原の水と峠──寄り道で見る軽井沢の自然

湯川の水源──白糸の滝

白糸の滝は湯川の水源にある滝で、高さ3m、幅70mの岩肌から、数百条の地下水が白糸のように落ちています。高さより横の広がりに目を向けると、岩のあちこちから水が出ていることが分かります。観光協会の案内は、春の新緑、夏の滝しぶきと涼風、秋の紅葉を挙げています。

「スワンレイク」と呼ばれる池──雲場池

雲場池は「スワンレイク」とも呼ばれる小さな池で、周りには散策路が整えられています。新緑と紅葉の季節の景色が、観光協会の案内で挙げられています。秋に訪ねるなら、池の周りを歩く時間を旅程に入れると考えると組みやすくなります。

県境の見晴らしと、古い道──旧碓氷峠 見晴台・入山峠

旧碓氷峠の見晴台は、標高1200m、長野県と群馬県の県境にある展望地です。東に妙義連峰、西に浅間山が見えます。見晴台の入口からは遊歩道が整えられています。

県境の峠は、古い道の通り道でもありました。平安時代までには、本州の内陸を北へ貫く東山道が、軽井沢町成沢と群馬県安中市入山の境にある入山峠を通っていたのではないかと言われています。

宣教師伝来と伝える味──中山のジャム

旧軽井沢銀座の中山のジャムは、明治38年の創業です。旧三笠ホテルが竣工したのと同じ年に始まった店で、宣教師伝来の薫りと味わいを伝えると案内しています。ショーの避暑から始まった町の土産として、ジャムを一つ選ぶと、別荘地の明治の話を持ち帰れます。

過ごし方:別荘地の明治をたどる一日

午前はショー通りから。別荘地の始まりの名前を見てから、旧三笠ホテルの建物へ向かいます。

昼前後は旧軽井沢銀座で、中山のジャムを選びます。

午後は寄り道の自然へ。秋なら雲場池か白糸の滝の紅葉、晴れた日なら旧碓氷峠の見晴台で浅間山と妙義連峰を見比べます。どれも本編とは別の場所なので、一日に全部を入れずに一つ選ぶと考えると余裕があります。

行事はこの秋の催しで確かめてください。

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この旅の続きを、どこに泊まる?

ショー通りや旧軽井沢銀座を朝から歩くなら旧軽井沢の宿、列車で着いて翌日も駅から動くなら駅前の宿が、翌朝の起点になります。

この秋の催し

日程は出典先で最新をご確認ください。

3月14日〜10月5日
終了
エルツおもちゃ博物館・軽井沢 2026年春夏展「ドイツのいろいろ人形」
木のおもちゃの故郷、ドイツ・エルツ地方を中心に、多彩な人形たちが大集合。くるみ割り人形やパイプ人形など。さらに、2026年10月10日(土)からは秋冬展もスタート。
[2]
10月30日〜11月9日
2026年の開催予定
軽井沢・プリンスショッピングプラザ プラチナバーゲン 特典付きツアー
軽井沢・プリンスショッピングプラザで年に1度開催される特別セール「プラチナバーゲン」に合わせて実施されるツアー。東京・大宮発の往復新幹線チケットや商品引換券などの特典が付く。
[3]
旅支度と出典(営業時間・料金・アクセス・注意)

営業時間・料金・アクセス

金額・時間は確認日時点のものです。出かける前に出典先でご確認ください。

重要文化財旧三笠ホテル

概要日本人の手による設計・施工で建てられた明治後期の純西洋式木造ホテル。明治・大正時代を築いた著名人が訪れた面影を今に伝えており、昭和55年5月に国の重要文化財に指定された。
2026-09-14確認[4]

雲場池

概要「スワンレイク」とも呼ばれる小さな池で、池の周囲には約1kmの散策路が整備されており、歩きながら四季折々の景色を楽しめる。新緑や紅葉の季節には特に美しい景観が広がり、軽井沢を代表する景勝地となっている。
2026-09-14確認[5]

しなの鉄道 軽井沢駅

営業時間しなの鉄道軽井沢駅の窓口営業時間は、3階改札口が全日6:00~18:00、旧駅舎口が全日8:00~11:35となっている。
2026-09-14確認[6]

白糸の滝

概要湯川の水源にある滝で、高さ3m、幅70mの岩肌より数百条の地下水が白糸のように落下する。春のさわやかな新緑、夏の滝しぶきと涼風、秋のまばゆいばかりの紅葉など、四季を通じて豊かな景観を楽しめる。
2026-09-14確認[7]

旧碓氷峠 見晴台

概要標高1200m、長野県と群馬県の県境に位置する展望地。東には妙義連峰、西には浅間山を望む絶景が広がり、見晴台入口には約4kmの遊歩道が整備されている。
2026-09-14確認[8]

宣教師の一夏、日本人が建てたホテル、日光の職人が彫った洋家具、宣教師伝来と伝えるジャム。軽井沢の明治は、外から来た人の暮らしに、この土地の手が応えていった時代です。

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情報について

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注

  1. 写真:663highland(Wikimedia Commons・CC BY 2.5)・利用条件
  2. 観光協会 karuizawa-kankokyokai.jp(2026-09-14確認)
  3. 観光協会 karuizawa-kankokyokai.jp(2026-09-14確認)
  4. 観光協会 karuizawa-kankokyokai.jp(2026-09-14確認)
  5. 観光協会 karuizawa-kankokyokai.jp(2026-09-14確認)
  6. 交通事業者 shinanorailway.co.jp(2026-09-14確認)
  7. 観光協会 karuizawa-kankokyokai.jp(2026-09-14確認)
  8. 観光協会 karuizawa-kankokyokai.jp(2026-09-14確認)
  9. 写真:くろふね(Wikimedia Commons・CC BY 3.0)・利用条件
  10. 写真:柑橘類 (talk)(Wikimedia Commons・CC BY-SA 3.0)・利用条件
  11. 写真:663highland(Wikimedia Commons・CC BY 2.5)・利用条件